FINAL FANTASY VII BEFORE CRISIS
◎ 第12章 『平穏を切り裂く覚醒』
ニブルヘイム [υ]-εγλ 0002/9/21
[υ]-εγλ 0002/9/21 PM6:00 ニブルヘイム上空
散弾銃:
あれね
ツォンさん
ニブルヘイム魔晄炉が見えてきたわよ
ツォン:
あれはわが社の魔晄炉第1号だ
散弾銃:
激動の時代を駆け抜けた施設ね
ツォン:
かなり老朽化しているらしい
散弾銃:
今回の作業員
行方不明事件
原因は施設が古いからじゃないかしら?
床が抜けて、みんなライフストリームに落ちたのよ
ツォン:
どうだろうな
その真偽を確かめるのが散弾銃の仕事だ
散弾銃:
了解しました
ティファ:
待ちなさい!
ネコ:
にゃ~
ティファ:
待ちなさいったら
ティファ:
もう!
臆病なくせにすぐ外へ行きたがるんだから
外は危ないから家に帰るよ
ネコ:
にゃ~
ティファ:
あっ
ちょっと!
ティファ:
それ以上行っちゃダメ!
この山は危ないんだからっ!!
ツォン:
準備はいいか
散弾銃:
いつでもOKよ
ツォン:
では頼んだぞ
散弾銃:
了解しました
では行ってくるわ!
ツォン:
風が!?
つ、強い・・・
ツォン:
散弾銃も流されたか・・・
ツォン:
(無事でいてくれよ・・・)
--ニブル山 頂上付近--
散弾銃:
なんてこと!
かなり流されたわ!
ツォン:
散弾銃無事か?
散弾銃:
平気よ
でも魔晄炉からは随分離れてしまったみたい
ツォン:
西を目指して進めば魔晄炉があるはずだ
すまないが歩きで向かってくれ
散弾銃:
了解しました
散弾銃:
さぁ!
出発よ!
ティファ:
待って!
ネコ:
にゃ~
ティファ:
こ~ら~
ネコ:
にゃ~
ティファ:
もう!
待ちなさいってば
ネコ:
にゃ~にゃ~
散弾銃:
人!?
しかもピンチ!?
散弾銃:
ストーップ!
下がってなさい
ティファ:
は、はいっ
--イクセントキマラと戦闘--
ティファ:
あの・・・
ありがとうございます!
散弾銃:
あなた
大丈夫かしら?
ティファ:
なんとか・・・
散弾銃:
それにしても、あなた
なぜこんなところにいるのかしら?
ティファ:
この子が山に迷い込んじゃって
追いかけてきたらモンスターに襲われたの
ネコ:
にゃ~
散弾銃:
追いかけてきたって・・・
ここがどんな山か分かっているの!?
ティファ:
もちろんです
村の人で知らない人はいないわ
生きては決して越えられない山ニブル山よ
散弾銃:
そうね
そして神羅の重要施設がある山よ
だから早々にお引き取り願いたいところなんだけど・・・
ティファ:
え・・・
散弾銃:
ひとりで帰すのは危ないわよね
ティファ:
・・・・・・
散弾銃:
仕方ない
ちょっとここで待ってて
仕事が終わったら村まで送るわ
ティファ:
お願いします
あ!
私はティファです
散弾銃:
私は散弾銃よ
散弾銃:
ああ
やっと見えてきた
散弾銃:
あれが魔晄炉か・・・
散弾銃:
ん?
散弾銃:
(ド・・・)
(ドラゴンっ!!)
散弾銃:
連絡よ!
散弾銃:
ツォンさん
大変よ
魔晄炉前にドラゴンが発生しています
ツォン:
なんだって!?
散弾銃:
壮観よ
いちどにあれだけのドラゴンを見るのは
初めての経験だわ
ツォン:
そんなに多いのか
それで施設内には入れたのか?
散弾銃:
いいえ
ドラゴンがいる限り入れないわ
ツォン:
そうか
ならば仕方ない
魔晄炉内の調査は中断だな
散弾銃:
分かったわ
でもいつまでも中断するわけにもいかないでしょ
どうするのかしら?
ツォン:
ヴェルド主任と対策を検討する
散弾銃:
主任は出張で不在でしょ?
主任とは連絡が取れないと聞いてるわ
ツォン:
緊急事態だ
なんとか連絡をとってみる
とりあえず散弾銃は村に戻って待機してくれ
散弾銃:
了解しました
ティファ:
散弾銃!
散弾銃:
さぁ!
下山しましょう
ついてきて
ティファ:
え?
どこに行くの?
山を下りるならこっちよ
散弾銃:
魔晄炉作業員用のロープウェイがあるのよ
ティファ:
そんなものがあるの!?
ティファ:
全然知らなかった・・・
散弾銃:
無理もないわ
神羅専用だから
村の人だってほとんど知らないはずよ
ティファ:
あの・・・
散弾銃:
なにかしら?
ティファ:
聞いていい?
ティファ:
クラウドって子知ってる?
散弾銃:
クラウド・・・
前に任務で一緒になったことがあるわ
知り合いかしら?
ティファ:
幼なじみよ
ティファ:
ソルジャーになるって2年前に村を出ていった
--回想--
クラウド
「俺、ソルジャーになりたいんだ」
「セフィロスみたいな最高のソルジャーに」
ティファ
「ね、約束しない?」
「あのね」
「クラウドがソルジャーになって」
「その時、私が困ってたら……」
「クラウド、私を助けに来てね」
クラウド
「はぁ?」
ティファ
「私のピンチのときにヒーローがあらわれて助けてくれるの」
「一度くらいは経験したいじゃない」
クラウド
「はぁ?」
ティファ
「いいじゃないのよ~!約束しなさい~!」
クラウド
「わかった……」
「約束するよ」
--回想終了--
散弾銃:
そう・・・
う~ん・・・
でも・・・
同じ名前なだけってこともありえるわよ
ティファ:
きゃっ!!
散弾銃:
何事なの!?
ティファ:
止まった!
ティファ:
あれ見て!
あの鉄塔の下!
散弾銃:
!!
ドラゴンが体当たりしてるわ!!
散弾銃:
大変
このままじゃ
ティファ:
きゃっ!!
散弾銃:
ティファ!
掴まりなさい!
ティファ:
!?
ティファ:
きゃーーーー!!!
散弾銃:
(飛び移るしかない!)
散弾銃:
うぅ・・・
散弾銃:
奇跡
まだ生きてるわ
散弾銃:
ふう・・・
危うくこの谷底へ真っ逆さまだったわね・・・
はっ!
散弾銃:
ティファ!?
ティファ:
散弾銃!
散弾銃:
よかった
平気そうね
散弾銃:
どうしたの?
ティファ:
あの子が・・・
あの子がいないの!!
ティファ:
はっ!
散弾銃:
え?
ティファ:
さっきのドラゴン!
散弾銃:
こっちに来たら橋が壊れるわ!
散弾銃:
行くしかないっ!
ティファ:
散弾銃!?
--ドラゴンと戦闘--
散弾銃:
ふう・・・
切り抜けたわ・・・
ティファ:
大丈夫?
散弾銃:
当然でしょ
ネコ:
にゃ~
ティファ:
良かった!
散弾銃:
別のが来ないうちに急いで帰るわよ
ティファ:
でも・・
ティファ:
ロープウェイが壊れちゃった・・・
散弾銃:
そうね
これは歩いて帰るしかないわね
ティファ:
はい
ティファ:
ここからなら村はすぐよ
心配いらないわ
散弾銃:
そうだ!
報告しておかなくちゃ
ティファ
ちょっと待ってて
散弾銃:
ツォンさん
ドラゴンのせいで作業員用のロープウェイが壊れました
使用不可能よ
ツォン:
なんだって!?
困ったな・・・
セフィロス隊が調査にあたることになったのだが・・・
散弾銃:
セフィロスが!?
ツォン:
社長のご決断だ
結局ヴェルド主任とは連絡が取れずこうなった
散弾銃:
確かに
セフィロスなら
あの数のドラゴンも倒せるでしょうね
ツォン:
しかし・・・
ロープウェイがないとなると道が分からない・・・
散弾銃
道が分かる者を手配しておいてくれ
散弾銃:
了解しました
散弾銃:
道が分かる者ねぇ・・・
散弾銃:
ティファ
ティファ:
はい?
散弾銃:
ネコを追ってきた道覚えているかしら?
ティファ:
ええ
散弾銃:
調査隊をそこまで案内してほしいの?
ティファ:
もうイヤ
山道はモンスターだらけだから
散弾銃:
安全面は心配いらないわよ
調査隊はセフィロスが率いているわ
セフィロスが一緒なら村にいるよりも安全なぐらいよ
ティファ:
セフィロス!
あのソルジャー1stのセフィロス!?
散弾銃:
そうよ
ティファ:
分かった
やる!
散弾銃:
よかったわ
散弾銃:
ツォンさん
ガイドの手配が終わったわよ
--村にて--
散弾銃:
ザックス!
ザックス:
よう!
久しぶりだな
クラウド:
久しぶり
散弾銃:
クラウド?
なぜ今日はマスクをしているのかしら?
ザックス:
なに?
クラウドとも知り合いなの?
散弾銃:
任務で一緒になったことがあるのよ
ザックス:
なるほどねぇ
クラウド:
・・・・・・
セフィロス:
おい
ザックス
そろそろ切り上げろ
明日の作戦を立てるぞ
ザックス:
OK
今行く
ザックス:
クラウドは夜まで自由にしてろ
故郷なんだろ?
クラウド:
あ、あぁ・・・
散弾銃:
クラウドはニブルヘイム出身なの?
クラウド:
まぁね
散弾銃:
決まったわ
クラウドがティファの幼なじみの
クラウドなのね!
クラウド:
ティファを知ってるのか?
散弾銃:
ええ
明日の調査のガイドを頼んでおいたわ
クラウド:
隊に同行するってことか!?
散弾銃:
それがガイドの仕事よ
ティファにクラウドのこと聞かれたわ
クラウド:
!
それでどう答えたんだ!?
散弾銃:
分からないと答えたわよ
世界がこれほど狭いものとは思っていなかったのよ
クラウド:
そうか・・・
クラウド:
あの・・・
頼みがある
ティファには俺が戻っていることを黙っててほしい
散弾銃:
え!?
クラウド「俺、ソルジャーになりたいんだ」
「セフィロスみたいな最高のソルジャーに」
散弾銃:
(だから今日はマスクを外さないのね)
散弾銃:
任せなさい
私は口がかたいのよ
クラウド:
サンキュー
恩に着る
翌日の朝
調査隊は魔晄炉へ出発した
調査を終えて
調査隊が戻ってきた
散弾銃:
セフィロス!
調査結果を教えてく・・・
ザックス:
散弾銃
気にすんな
セフィロスの様子が調査中に急におかしくなったんだ
散弾銃:
(セフィロスは どうしたのかしら?)
セフィロスはそのまま
何かを熱心に調べ始め
ずっと出てこなかった
ツォン:
セフィロスの様子は?
散弾銃:
変わりなしです
今日も資料室に閉じこもっているわ
ツォン:
セフィロスの異変の原因は分かったか?
散弾銃:
ええ
魔晄炉の中を見てから様子が変わったみたい
ツォン:
そうか・・・
(主任不在だというのになぜ問題ばかり起きるんだ・・・)
(これ以上悪いことが起きなければいいが・・・)
散弾銃:
ツォンさん?
監視だけで本当にいいの?
ツォン:
情報が不足していて手の打ちようがない
そのまま監視を続けてくれ
セフィロスに動きがあったらすぐに連絡するんだ
散弾銃:
了解しました
そしてついに事件は起こった
散弾銃:
ツォンさん!!
セフィロスが
散弾銃:
村に火を放ったわ!!
ツォン:
なんだって!?
散弾銃:
このままでは村が消滅するわ
ツォン:
セフィロスはどうしている?
散弾銃:
魔晄炉へ向かってるみたい
ツォン:
くっ
(もっと積極的に手を打っておくべきだった)
散弾銃:
ツォンさん
このままじゃセフィロスが何をするか分からないわ
セフィロスを追うわよ!
ツォン:
我々もすぐにそちらへ向かう
道路確保のため山道のモンスターを退治しておいてくれ
散弾銃:
了解しました
ツォン:
(この事件は私の判断ミスだ)
(主任・・・)
(こんなときになぜ不在なのですか・・・)
散弾銃:
急がなきゃ!!
魔晄炉は北西にあるのよね
(モンスターも倒さないと)
散弾銃:
まだドラゴンが残ってたのね
やるしかない!
散弾銃:
魔晄炉
この中に・・・
ティファ:
ひどい・・・
ティファ:
許さない!!
ザックス:
(ティファ無茶すんなよ)
--ニブルヘイム魔晄炉内部--
散弾銃:
セフィロス!
セフィロス:
!
セフィロス:
裏切り者か
散弾銃:
意味のわからないこと言わないで!
なぜ村に火をつけたの!?
村が全滅よ!?
セフィロス:
オマエ達への戒めの序章にすぎない
この星は母さんが支配するはずだった
しかし、オマエ達が母さんから星を奪った
散弾銃:
ちょっとお待ちなさいよ
セフィロス:
黙れ
裏切り者!
散弾銃:
!?
散弾銃:
うぅ・・・
(なんて力なの・・・動けない・・・)
セフィロス:
オレは選ばれし者
散弾銃:
(動いて!私の体!!)
セフィロス:
この星の支配者として選ばれし存在だ
俺はオマエ達からこの星を取り返す
散弾銃:
許せないわ・・・
セフィロス:
そして・・・
略奪者であるオマエ達は罰として俺が処刑する
散弾銃:
そんな理由で・・・
セフィロス:
処刑までのわずかな命・・・
惜しいならば今すぐここを立ち去れ!
散弾銃:
罪もない村人を・・・
散弾銃:
殺すなんて!
クラウド:
おい・・・
散弾銃:
・・・・・・
クラウド:
散弾銃!
散弾銃:
ん・・・
クラウド:
散弾銃!
生きてるな!
しっかりしろ
散弾銃:
うぅ・・・
クラウド:
あんたはもう少しここで待ってろ
俺はティファを見てくる
クラウド:
セフィロス!!
許せない!!
散弾銃:
クラウド!?
散弾銃:
クラウド!?
セフィロスを追ったのね!
無茶だわ!
ネコ:
にゃ~
散弾銃:
!?
ティファのネコ!?
散弾銃:
ちょっとどこへ行くの?
散弾銃:
ティファ!
ティファ!!
ティファ:
う・・・
散弾銃:
ふぅ
息はあるわね
ティファ:
うぅ・・・
散弾銃:
ティファ
しっかりしなさい
クラウドよ
クラウドが約束どおり
ティファのピンチに助けにきたのよ
ネコ:
にゃぅ~ん
ザンガン:
ティファ!!
散弾銃:
!?
ネコ:
にゃ~
ザンガン:
ティファ
大丈夫か!?
散弾銃:
気を失っているわ
ひどい怪我だけど
すぐ手当てすればなんとかなるわ
ザンガン:
間に合ってよかった
散弾銃:
ところであなたは?
ザンガン:
わしはザンガン
ティファに格闘術を教えている
散弾銃:
ティファのお師匠様ね
いいところに来てくれたわ
ザンガン:
ティファのネコのおかげだ
散弾銃:
ティファのネコ?
ザンガン:
ああ
ティファを捜していたら
こいつが駆け寄ってひどく鳴いてな
もしやと思いついてきたのだ
散弾銃:
あなたがザンガンさんを案内したのね
素晴らしいわ
ネコ:
にゃ~
散弾銃:
ザンガンさん
ティファをお願い
ザンガン:
もちろんだ
あんたはどうする?
散弾銃:
まだよ
他の人もまだいるはずなの
様子を見てくるわ
ザンガン:
気をつけろよ
散弾銃:
ええ
ザンガンさんもお気をつけて
ザンガン:
うむ
ザンガン:
気をつけていけよ
散弾銃:
はっ!
ザックス:
うぅ・・・
散弾銃:
ザックス!!
散弾銃:
あなたまでセフィロスに!?
ザックス:
これくらい・・・
平気だ・・・
それ・・・より・・・
クラ…ウドが・・・
奥に・・・
頼む・・・
散弾銃:
分かったわ
任せておきなさい
クラウド:
うぅ・・・
セフィロス:
ん?
クラウド:
うぉぉぉぉ
クラウド:
はぁ
はぁ
セフィロス:
そ・・・んな・・・
ばかな・・・
オマエは・・・
いったい・・・
クラウド:
はぁ
はぁ
セフィロス:
その瞳の色は・・・
セフィロス:
フッ
セフィロス:
誰にも俺の邪魔はさせない
散弾銃:
クラウド
しっかりしなさい
セフィロス:
母さん・・・
オレと一緒にこの星を取り戻そう
散弾銃:
!!
セ、セフィロス!!
ウソ・・・
散弾銃:
セフィロスが
魔晄炉に!?
なんでなの!?
散弾銃:
ツォンさん!
大変よ!!
ツォン:
散弾銃か
どうした?
散弾銃:
セフィロスは・・・
セフィロスが・・・
ツォン:
散弾銃
少し落ち着け
散弾銃:
セフィロスが魔晄炉に転落
確実に
死亡よ
ツォン:
なんだって!?
(セフィロスは村を潰している)
(こんな不祥事いったいどのように隠ぺいするんだ?)
(主任・・・早く戻ってください・・・)
この星の英知が我に流れ込み
新たなる力が我に満ちる