FINAL FANTASY VII BEFORE CRISIS

◎ 第16章 『抗えぬ運命の濁流』
  コレル村 [υ]-εγλ 0003/5/8

タークスが
壊滅したつもりでいた
アバランチは
壊滅していなかった

アバランチはひそかに再集結し
建設中のコレル魔晄炉を
占拠していた

ここに再び
タークスとアバランチの
激しい戦いが
始まろうとしていた

[υ]-εγλ 0003/5/8 AM8:30 コレル

エルフェ:
 この魔晄炉はアバランチが占拠した
 これ以上魔晄炉を増やしてはならない
 これ以上神羅の暴挙を許すことはできない
 この占拠で世界に神羅の悪事を訴えよう!
 そして神羅に対して
 物理的経済的社会的に
 ダメージを与えるのだ!

フヒト:
 間もなく神羅が攻めてくるでしょう
 皆さん
 全力を尽くして抵抗してください

シアーズ:
 もう一度思い出すんだ
 これまで犠牲になった
 仲間達の想いを!!
 あいつらのためにも必ず神羅を潰そう!

エルフェ:
 神羅に裁きを!

アバランチ:
 神羅に裁きを!

--コレル村--

ツォン:
 ここから単独行動に移る
 最後にもう一度
 任務の確認をしておくぞ
 私達の任務はアバランチに占拠された建設中の魔晄炉奪還
 魔晄炉潜入を四方から試みる
 コレルを失うとわが社の存続は危うい
 慎重かつ迅速に任務を遂行すること

散弾銃:
 はっ

レノ:
 次に会うのは魔晄炉の中だぞ、と

ルード:
 しくじるなよ

散弾銃:
 当然よ
 急ぎましょ

--コレル山炭坑--

バレット:
 よし
 このトロッコも問題ないな

バレット:
 これで今朝のトロッコ点検は終わりだ
 皆がきたら
 いつでも石炭を掘り始められるな

アバランチ:
 おい

バレット:
 お前誰だ?
 見かけない顔だな

アバランチ:
 この炭坑は今から封鎖する
 出て行ってもらおう

バレット:
 なんでだ!?

アバランチ:
 魔晄炉の建設に関わることだ

バレット:
 魔晄炉建設の作業員か

アバランチ:
 ・・・・・・

バレット:
 魔晄炉のためなら協力するしかねぇな
 村人はみんな魔晄炉に期待してんだ
 言ってみりゃこの村の希望だぜ
 早いところ完成させてくれよな

バレット:
 建設もいよいよ大詰めか
 コレル魔晄炉・・・
 あれができればこの村ももっと栄えるよな

バレット:
 今は魔晄の時代だ
 時代の波には逆らえないぜ

バレット:
 おっと
 すまねぇな

バレット:
 おいおい
 どうやら気が合うみたいだな

散弾銃:
 そうかもしれないわね
 急いでいたから
 ごめんなさい

バレット:
 そんな小さなこと気にしねぇ

散弾銃:
 ところであなたここの人でしょ?
 魔晄炉へはここを真っ直ぐでいいのよね?

バレット:
 おう
 だが今日は魔晄炉には近づけねぇぞ
 工事の大詰めらしい

散弾銃:
 なんですって!?
 あなたはだまされてるわよ

散弾銃:
 ・・・・・・
 ってことなのよ

バレット:
 なんだって!?

バレット:
 あいつらは工事を
 妨害してたってのか!?

散弾銃:
 その通りよ

バレット:
 くっそ
 あいつら許せねぇ

散弾銃:
 私はそれを排除してあげる

バレット:
 そいつぁ
 ありがてぇ
 オレにできることがあったら言ってくれ
 手伝うぜ

散弾銃:
 気付かれずに魔晄炉に入りたいの
 抜け道はないかしら?

バレット:
 俺が近くまで案内してやるよ

散弾銃:
 助かるわ
 私は散弾銃
 よろしくね

バレット:
 オレはバレット

バレット:
 さぁ
 こっちだ

散弾銃:
 これは・・・

散弾銃:
 炭坑ね?

バレット:
 そうだ
 コレルは炭坑の村だ
 ここもオレが掘ったんだぜ
 坑道はアリの巣みてぇに張り巡らされてるんだ
 ちょっと遠回りだがここからなら魔晄炉の
 近くまで行けるぜ

バレット:
 うわっ
 なんだあれは!
 いつの間にあんなものを!?

散弾銃:
 うそ・・・
 あんな物騒なものを持ち出すなんて
 ここを突破するのは無理かしら

バレット:
 いいや
 いい手があるぜ
 ついてこい

バレット:
 これを使うんだ!

散弾銃:
 トロッコ?

バレット:
 これであいつらを
 ぶっ飛ばしちまおう

散弾銃:
 これをどうやって
 動かすって言うの!?

バレット:
 安心しろって
 押すのはオレがやる
 おまえはトロッコの後ろ側で決定キーを押せばいい

バレット:
 どうだ
 これで通れるぞ

散弾銃:
 このレバーで切り替えようかしら

バレット:
 くっそ
 あいつら
 オレ達の炭坑で好き勝手しやがって
 許せねぇぜ

バレット:
 奥のレールを切り替えるんだ

バレット:
 これで炭坑からは出られるぜ
 そうしたら魔晄炉はすぐだぜ

散弾銃:
 助かったわ
 ありがとう

散弾銃:
 きゃっ

散弾銃:
 え?
 痛くないわ・・・

バレット:
 ・・・うぅ・・・

散弾銃:
 バレット!?

バレット:
 早く・・・
 行きやがれ・・・
 さすがの・・・
 オレも・・・
 いつまで踏んばれるか

バレット:
 分からねぇ

散弾銃:
 ありがとう

散弾銃:
 バレット
 私に任せなさい
 あなたのためにも
 必ず魔晄炉は取り返すわ!

バレット:
 散弾銃
 頼んだぞ・・・
 コレルの未来はおまえにかかっている
 必ず魔晄炉を取り返してくれよ

ヴェルド:
 社長
 副社長が出発されたようです

プレジデント神羅:
 くっ
 ルーファウスめ・・・
 あいつがバカなことをしでかさないうちに止めろ

ヴェルド:
 はっ

プレジデント神羅:
 事態は深刻だ
 極秘かつ緊急の対策を取るのだ
 あいつのせいで神羅カンパニーを潰すわけにはいかない!
 なんとしてもわが社を守りぬけ!

散弾銃:
 あそこが魔晄炉入口ね

散弾銃:
 なんて物々しい警備なの!?
 皆は大丈夫かしら・・・

散弾銃:
 とにかく急がないと
 なんとしても魔晄炉は取り返すわ!

散弾銃:
 はっ!

散弾銃:
 あのスイッチを押すと橋がつながるようね
 アバランチ兵を
 誘導すればひとりでも入口に着けるわね

散弾銃:
 まぁ
 上流と下流の橋は通れるのね
 でも遠回りになるわね

アバランチ:
 そこを動くな!

散弾銃:
 仲間を呼ばれたらやっかいだわ
 全員まとめて相手してあげる

アバランチ:
 ここは誰も通さない!

散弾銃:
 またなの!?
 何度来ても同じよ!

アバランチ:
 何者だ!?

散弾銃:
 誰も私の邪魔なんてできないのよ!

アバランチ:
 あやしい奴め!

アバランチ:
 行かせない!

アバランチ:
 何者だ!?

アバランチ:
 そこで何をしてる!?

散弾銃:
 着いたわ
 これで魔晄炉に潜入できるわね
 バレットは魔晄炉を楽しみにしていたわ
 だからさっきも私を助けてくれたのよね
 バレットのためにも魔晄炉は必ず取り返すわ

アバランチ:
 お、お前はタークス!?
 くそ
 ここから先は進ませないぜ

--コレル魔晄炉内部--

散弾銃:
 どういうこと?
 中の警備は手薄じゃない・・・
 外はあれほど警備していたくせに・・・

散弾銃:
 !!
 あなたは!!

散弾銃:
 副社長・・・

ルーファウス:
 あの人数の警備を破ってここまできたか
 さすがはタークスだな
 君達には私もずいぶんと
 悩まされたものだ

散弾銃:
 なぜこんなところに!?

ルーファウス:
 アバランチが勝手な
 マネをするからだ

ツォン:
 !?
 副社長・・・?

レノ:
 !?
 なぜ・・・?

ルード:
 !?
 ここに・・・

ツォン:
 副社長・・・
 これはいったい
 どういうことですか?

ヴェルド:
 お前達!
 副社長を捕らえろ!

ツォン:
 主任!

ルード:
 なぜここに!?

レノ:
 いったいなぜ!?

ヴェルド:
 副社長がアバランチを
 操っていたんだ

散弾銃:
 予想外の展開よ!?

ルード:
 でも・・・

レノ:
 これで納得できたぞ、と

ツォン:
 アバランチに情報が
 漏れていたからな

ヴェルド:
 これは社長からの極秘任務だ
 副社長をタークス本部の
 隠し部屋に幽閉する

散弾銃:
 (副社長を本部に幽閉ですって!?)

ルーファウス:
 フッ
 ヴェルド君
 今ここがどのような
 状況にあるのか忘れたのか?

フヒト:
 フフフ

散弾銃:
 はっ!
 上ね!?

フヒト:
 その通りです
 私たちが占拠しております

散弾銃:
 フヒト!
 しぶとく生きていたのね!

ルーファウス:
 フッ
 形勢逆転だな
 さぁフヒト君
 タークスを始末したまえ

ツォン:
 完全に包囲されている

ルード:
 いつの間に・・・

レノ:
 このままじゃ
 俺たち蜂の巣だぞ、と

ルーファウス:
 この魔晄炉の占拠は私の指示ではない
 これは契約違反だ
 契約違反には厳重な対処が必要だ
 本来はな
 だがこのタークスを
 始末すればそれは不問にしよう

ヴェルド:
 くっ

フヒト:
 フフフ
 お断り致します

ルーファウス:
 なんだと?
 貴様裏切るのか?
 資金の援助が途切れるぞ

フヒト:
 資金援助ですか?
 そんなものはもう必要ありません
 新しい部隊を組織したのです

ルーファウス:
 何!?

フヒト:
 もはやあなたに
 利用価値はありません!

ルーファウス:
 くっ
 私としたことが・・・

フヒト:
 今ごろ反省ですか?
 だからあなたはいつまでも父親を
 超えられないのですよ

ルーファウス:
 なにっ!

フヒト:
 さぁ皆さん
 始末してください

ヴェルド:
 お前達!!
 副社長をお守りしろ!!

ルーファウス:
 見事だな
 ヴェルド君

レノ:
 さすがは主任だぞ、と

ツォン:
 まだ油断はできない

ルード:
 次が来る

ヴェルド:
 副社長に指一本触れさせるな!

ヴェルド:
 全員で護衛しながら魔晄炉を脱出する

ツォン、レノ、ルード、散弾銃:
 了解!!

ヴェルド:
 レノが左

レノ:
 はいよ、と

ヴェルド:
 ルードが右

ルード:
 はっ

ツォン:
 ツォンが前方

ツォン:
 はっ

ヴェルド:
 散弾銃は後ろを守れ

散弾銃:
 了解しました

シアーズ:
 準備が終わった

エルフェ:
 いつでもここを爆破できる

ヴェルド:
 その声は!
 フェリシア!?

ヴェルド:
 生きていたのか!?
 カームの誤爆で
 死んだはずじゃなかったのか!?

エルフェ:
 !?
 カーム・・・
 爆発・・・
 実験室・・・

--回想--

「実験は失敗だ
 サンプルは処分しておけ」

エルフェ(やめて)

「次はヴェルドの経過を見よう」

エルフェ(私、死んでない)

エルフェ(痛い・・・痛いよ・・・)

ヴェルド「しっかりしろ
     すぐ治療してもらう」

ヴェルド「今日は非番だ
     一日遊べるぞ~」

エルフェ「ホント!?」

--回想終了--

エルフェ:
 ・・・・・・
 ・・・父さん?

ツォン、レノ、ルード、散弾銃:
 !!

シアーズ:
 父さん!?

フヒト:
 !!

エルフェ:
 うぅ

シアーズ:
 エルフェ!?

フヒト:
 フフフ
 ついに始まりました

シアーズ:
 なに!?

フヒト:
 これで私の準備はすべて整いました
 記憶を取り戻したことが
 引き金になったようです

フヒト:
 星を傷つけるすべての無価値な者達よ
 星へ帰りなさい
 そして傷ついたこの星を癒すのです!

ヴェルド:
 フェリシア!!

シアーズ:
 くっ

散弾銃:
 主任の娘さんは生きていたのね!

ヴェルド:
 ・・・・・・

ルード:
 ・・・だが・・・

ツォン:
 ・・・・・・

レノ:
 よりによって
 敵のリーダーとはな、と

ヴェルド:
 くっ・・・

ツォン:
 ・・・・・・
 主任!
 エルフェを!
 フェリシアさんを追ってください

ヴェルド:
 それはできない

レノ:
 そうだ!
 早く行かないと見失います、と

ヴェルド:
 だが・・・

ルード:
 せっかくの再会です

ヴェルド:
 俺は・・・

散弾銃:
 主任がやりたいようにしてください

ヴェルド:
 タークスだ・・・

ツォン:
 主任はいつも私達の
 ことを考えてくれました
 今度は私達が主任のために動きたいのです

ヴェルド:
 …皆
 副社長を必ず無傷で本部までお連れしろ

ツォン:
 はっ

ルーファウス:
 生きてタークスを抜けるつもりか?
 不可能だ
 死以外でタークスを抜ける方法はない
 それは君がいちばんよく知っているはずだ

ヴェルド:
 副社長
 あなたの不祥事はタークスのみが知るトップシークレットです
 タークスが隠ぺいし重役にすら明かされません

ルーファウス:
 フン・・・

ヴェルド:
 そしてこれが私の最後の仕事です
 社長からのご伝言です
 謹慎の間
 見識をより深めろ
 とのことです

ルーファウス:
 くっ
 (なんたる屈辱的な処置だ!)
 (やはり私はおやじを超えることはできないということか)

ヴェルド:
 副社長
 これだけは忘れないでください
 社長は昔からしかるべき時にその座を譲るお考えでした
 もちろん現在もです
 子供の幸せを願わない親などいません

ルーファウス:
 くそっ・・・

ツォン:
 主任!

ヴェルド:
 後は任せた
 ツォン

ツォン:
 はっ・・・

ヴェルド:
 タークスを頼む

ツォン:
 はいっ!
 今までありがとうございました
 主任の信頼を裏切らない働きをしてみせます!

ルーファウス:
 君達急ぎたまえ
 フヒトはここを爆破するつもりだ

レノ:
 爆破!?

ルーファウス:
 私が起爆装置をフヒトに提供したのだ

ツォン:
 副社長
 参りましょう

散弾銃:
 大変!
 アバランチ兵!!

ツォン:
 散弾銃
 急げ!

散弾銃:
 後ろは私の担当よ
 ここは任せておいて

レノ:
 急げよ、と

ルード:
 外で待っている

散弾銃:
 了解しました

散弾銃:
 すぐに爆発するはずよ
 このままじゃレイブンも爆発に巻き込まれる
 フヒトはレイブンを使い捨てるつもりなのね
 そんな考え許せないわ

散弾銃:
 これじゃキリがないわ
 このままじゃ私
 脱出できない!

ヌンチャク男:
 散弾銃

散弾銃:
 ヌンチャク男!

ヌンチャク男:
 遅れちゃった
 一緒に戦おう!

散弾銃:
 ヌンチャク男
 急ぐわよ
 もうすぐ爆発するわ!

ヌンチャク男:
 !?

散弾銃:
 こっちよ

散弾銃:
 駆け抜けるわよ

散弾銃:
 戦ってる場合じゃないわよ!
 すぐにここは爆発するのよ!

散弾銃:
 しつこいわね

散弾銃:
 出口はもうすぐよ

シアーズ:
 くっ!

散弾銃:
 !!

ヌンチャク男:
 散弾銃

ツォン:
 ヌンチャク男
 散弾銃はどうした?

ヌンチャク男:
 魔晄炉に転落した

ツォン:
 散弾銃・・・

ルード:
 くっ・・・

レノ:
 奴はきっと生きてるぞ、と

レノ:
 なんせ、あいつは
 タークスだからな、と

プレジデント神羅:
 スカーレット
 コレルへ飛べ
 コレル魔晄炉が爆破された

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