FINAL FANTASY VII BEFORE CRISIS

◎ 第20章 『引き受けた決意の代償』
  ゴンガガ [υ]-εγλ 0007/2/10

エルフェを救うための
マテリア探しは
困難を極め
時間だけが過ぎていった

そんな中
行方不明だった
ザックスとクラウドが
発見された

タークスは
緊急出動したが
軍の暴挙を
止めることは
できなかった

タークス達は
己の無力さを
実感していた

[υ]-εγλ 0007/10/1 PM6:00 コレルプリズン

シャルア:
 !
 (アバランチ兵か?)

シャルア:
 (懐かしいな)
 (4年ぶりに見かけた)

シャルア:
 (いまだにあれほどの人がいるのだな)
 (だがなぜここにアバランチ兵がいるんだ・・・?)
 (しかも様子がおかしい)
 (意思を持っていないかのようだ)

ルーファウス:
 ツォン
 いい情報を聞かせてやろう
 アバランチ兵がコレルプリズンに向かっているようだ

ツォン:
 砂漠の流砂に囲まれた
 自然の監獄のですか?

ルーファウス:
 そのとおりだ

ツォン:
 あそこは脱走は不可能と言われています
 それほど厳重な牢獄に
 自ら侵入するとはいったいなぜでしょう

ルーファウス:
 難所にわざわざ出向いているんだ
 思い当たる理由はひとつではないのか?

ツォン:
 (理由はひとつ・・・)

散弾銃:
 ・・・?
 ツォンさん
 副社長はずっとここに
 いらっしゃったのになぜご存知なのかしら?

ツォン:
 副社長の部屋にも神羅の最新設備が整っている
 副社長室を増設した時に社長が用意されたのだ
 副社長の権限なら
 あらゆるネットワークにアクセスできる
 だから世界の情勢を
 ほぼリアルタイムに把握できるのだ

ルーファウス:
 フッ
 私にもまだ神羅を奪う手段が
 あるということだ
 おやじはそんなことには
 気付いていないだろうがな

ツォン:
 散弾銃
 例のマテリアのありかを
 アバランチがつきとめたのかもしれない
 飛んでくれ

散弾銃:
 了解しました

--コレルプリズン--

散弾銃:
 神秘的
 ここが砂漠の監獄ね
 確かにこんなところなら
 持ってきたレーダーが役立ちそうね

--回想--

ツォン:
 散弾銃
 このレーダーを持っていけ

散弾銃:
 これは?

ツォン:
 レイブンの生体反応を検知できる

散弾銃:
 英知!
 これがあれば向こうの動きが分かるわね

ツォン:
 彼らの目的は
 おそらく例のマテリアだ
 アバランチに渡すわけにはいかない

散弾銃:
 当然よ
 奴らを尾行して
 マテリアを見つけたらそれを奪うわ

--回想終了--

散弾銃:
 黄色の矢印が指す方が
 反応ありってことね
 この矢印の方向へ行ってみましょ

散弾銃:
 きゃっ!?

散弾銃:
 今のがコレルプリズンの流砂ね
 レーダーがなかったら
 迷うところだったわ
 ここはレーダーに頼るしかないわね

散弾銃:
 あんな所に人が大丈夫かしら?

散弾銃:
 !!

散弾銃:
 ちょっと!
 しっかりして!

散弾銃:
 ダメそうね・・・
 息が荒いわ
 脱水症状ね
 水!
 せめて日陰は!?

散弾銃:
 なっ!

--ランドウォームと戦闘--

散弾銃:
 醜悪!
 ツォンさん
 こんなのがいるなんて聞いてないわよ!

散弾銃:
 終わったわ・・・
 願わくば二度と会いたくないわね

散弾銃:
 この穴の中涼しそうね
 でも・・・
 さっきのが沢山いたりしないわよね・・・?

散弾銃:
 ・・・・・・
 そんな事いってる場合じゃないわ
 この人も危険な状態よ
 とりあえず穴に入ってみましょう
 そういえばアバランチはいなかったわね
 レーダーはこのあたりを指していたのになぜかしら?

ヴェルド抹殺指令に背く
タークスに対して
プレジデント神羅は
手をこまねいていた

タークス本部に
息子・ルーファウスを
監禁しているので
うかつに手をだせないためである

そこでスカーレットに
ヴェルド捕獲と
タークス壊滅を
命じていた

ヴェルドの身柄を
拘束することで
タークスに対して
優位に立つ狙いである

プレジデント神羅による
タークス包囲網は
確実に狭まりつつあった

--神羅ビル--

スカーレット:
 社長
 朗報よ

プレジデント神羅:
 スカーレットか
 何の用だ?

スカーレット:
 ついにヴェルドの居場所を掴んだわ

プレジデント神羅:
 そうか
 ではうまく頼むぞ

スカーレット:
 まかせといて社長
 キャハハハ

スカーレット:
 いいかい
 なんとしてもこの任務を成功させるんだ
 そうすれば軍事開発費をもっと増やせるからね
 何してもいいわ
 その代わり手を抜いたら承知しないよ
 やり口ってのは派手なくらいがちょうどいいのよ!
 キャハハハ

--コレルプリズン--

シャルア:
 うぅ・・・
 ここは・・・
 どこだ・・・?

散弾銃:
 ちょっと!
 ご機嫌いかが?

シャルア:
 (この黒スーツ・・・)
 (タークスか!?)

散弾銃:
 ここは砂漠の地下よ
 モンスターの巣かもしれないけど上より涼しいわ

 シャルア:
 な・・ぜだ・・・

散弾銃:
 見つけてしまったのよ
 ほうってはおけないわ
 私散弾銃よ

シャルア:
 ・・・・・・

散弾銃:
 もう少し待ってなさい
 今、水を探してくるわ

シャルア:
 ・・・・・・

散弾銃:
 あんなに大きなモンスターがいるのよ
 どこかに水場があるはずだわ
 まずは水場を探すわ

シャルア:
 (タークス・・・)
 (こんなところで会うとはな・・・)
 うぅ・・・

散弾銃:
 さっ
 水を探すわよ

散弾銃:
 あったわ!

散弾銃:
 はぁ
 この上なくおいしいわ
 あの人にくんでいこう
 攻撃を受けてこぼさないようにしなきゃね

散弾銃:
 さぁ
 飲みなさい

シャルア:
 うぅ・・・

散弾銃:
 (まだまだ水が必要ね)

散弾銃:
 こぼさないように運ぶわよ

散弾銃:
 さぁ
 飲みなさい

シャルア:
 ふぅ・・・

散弾銃:
 やっと落ち着いてきたわね
 これなら回復ももうすぐね

散弾銃:
 レーダーの反応は地下だったんだわ
 だからレーダーの先に
 アバランチがいなかったのね
 目的のマテリアは
 ここにあるのかもしれないわね
 あの人はもう回復しているわ
 しばらくはきっと平気
 マテリアを探してみよう

散弾銃:
 (どこかしら?)
 (捜してみましょう)

レイブン:
 クックックッ

アバランチ:
 ぐぁ

散弾銃:
 !!
 名誉ある撤退よ

散弾銃:
 不運

散弾銃:
 邪魔よ

--ランドウォームと戦闘--

散弾銃:
 マテリアだわ
 このモンスターが持っていたのね

散弾銃:
 これでフヒトがひとつ
 私達が3つってことね
 なんとかしてあとひとつを取り返してみせるわ

散弾銃:
 これで目的達成よ
 早く帰るわ
 もちろんあの人と一緒にね

アバランチ:
 マテリアが奪われた
 追うぞ

散弾銃:
 ちょっと!
 しっかりしなさい

シャルア:
 ・・・・・・
 (不覚だ・・・)
 (タークスに助けられるとはな)

散弾銃:
 動けるかしら?

シャルア:
 ああ
 これぐらいたいしたことはない
 礼は言わんぞ
 アンタが勝手にやったことだ

散弾銃:
 (何!?)
 (なんでそんなにカリカリしてるの?)

散弾銃:
 ちょっと!
 待ちなさいよ!

シャルア:
 私にはやらねばならぬことがある
 こんなところで遊んでいる暇はない

散弾銃:
 どうしたのかしら?

散弾銃:
 はっ!
 また出たわね!
 危ないからさがってなさい!

--ランドウォームと戦闘--

散弾銃:
 驚いた?
 醜悪だったでしょ?
 でももう私が片づけたから安心しなさい

散弾銃:
 ちょっと
 待ちなさいよ

シャルア:
 アンタの助けなど不要だ
 ほうっておいてくれ

散弾銃:
 無理よ
 そんな体でどうやってここから
 出るつもりなの!?

シャルア:
 ・・・・・・

散弾銃:
 やっと穴から出られたと思ったら・・・

シャルア:
 くっ
 なんだこの砂嵐は・・・

散弾銃:
 やだっ
 レーダーの確認を忘れていたわ!

シャルア:
 アバランチ兵・・・

アバランチ:
 マテリアを渡してもらおう

散弾銃:
 アバランチが集まっている場所がある
 とりあえずここを目指してみましょ

シャルア:
 (嵐が落ち着いたらすぐ離れよう)

散弾銃:
 うぅ
 口の中がざらざらだわ

アバランチ:
 クックックッ

散弾銃:
 くっ
 現れたわね

シャルア:
 そうとう
 恨まれてるようだな

散弾銃:
 そんなことないわ

シャルア:
 恨まれる理由は?

散弾銃:
 私
 分からないことはないの
 仕事よ!

シャルア:
 自分でも気づいているようだな

シャルア:
 動くな

散弾銃:
 えっ!?

シャルア:
 私はアンタの被害者だ

散弾銃:
 なんですって!?

シャルア:
 正確に言えば
 タークスの被害者だな

散弾銃:
 被害者・・・?

シャルア:
 私は
 シャルア
 その黒いスーツ
 忘れもしない
 私の大切な家族を奪った・・・

散弾銃:
 どういうことよ?

シャルア:
 ソルジャーの適性がある
 といって連れ去った

散弾銃:
 ソルジャー候補ね?

シャルア:
 人さらいだろ
 私は今までミッドガルをはじめ
 世界中を捜しまわった
 度重なる神羅との戦いでもはや満身創痍だ
 さぁ!
 答えてもらおう
 アンタたちが拉致した人たちは
 どこへ隠した!?

散弾銃:
 そ、それは・・・
 言えないわ

散弾銃:
 やめなさい!

シャルア:
 くっ
 やめろ
 私は元アバランチだ
 タークスではない

アバランチ:
 クックックッ

散弾銃:
 アバランチに入っていたのね

シャルア:
 ソルジャー候補の情報収集のためだ
 アバランチの主張に
 すべて賛同してたわけではない

散弾銃:
 そうだったの
 でもこの人達に何を言っても無駄よ
 アバランチは
 シャルアのいた頃とは変わってしまったの

シャルア:
 どういうことだ?

散弾銃:
 フヒトに操られているだけよ

シャルア:
 なんだって・・・

散弾銃:
 私の後ろに下がってなさい!

シャルア:
 なぜ助ける?
 私はタークスを許していないぞ

散弾銃:
 確かに
 私はタークスよ
 汚い仕事もしてるわ
 憎まれるのも当然ね

散弾銃:
 でも!
 タークスを憎む人を私は憎んでないわよ

シャルア:
 多すぎる
 これでは太刀打ちできない!

シャルア:
 これは・・・

散弾銃:
 援護?
 いったい誰が!?

散弾銃:
 主任!

シャルア:
 シアーズ

シアーズ:
 シャルア!
 久しぶりだな
 体の具合はどうだ?

シャルア:
 このとおりだ
 問題ない
 ここの闇医者は噂どおりの名医だった

シアーズ:
 確かに
 あの怪我がうそのようだ
 それでここから
 出ようとしていたところか?

シャルア:
 ああ
 それよりもなぜタークスを助ける?

シアーズ:
 いろいろあってな

ヴェルド:
 シアーズ

ヴェルド:
 ここは危険だ
 積もる話は後にしろ
 ここは俺に任せて
 シャルアさんを送ってあげなさい

シアーズ:
 そうさせてもらう
 シャルア
 行くぞ

シャルア:
 確かに
 家族を連れ去ったのはアンタじゃない
 だが
 私はアンタ達を決して許さない!

散弾銃:
 ・・・・・・
 (決して許さないか・・・)

ヴェルド:
 ・・・・・・

散弾銃:
 主任
 シャルアに何があったか
 聞かないのね

ヴェルド:
 聞かなくても察しはつく
 タークスとはそういう仕事だ
 そしてこの仕事を選んだのはおまえ自身だ

散弾銃:
 ええ
 (そうよ そうよね)
 (この状況もこの気持ちも全部これまでの自分の選択の結果だ)
 (だから私がこの責任を取らないとならないわ)

スカーレット:
 やっと見つけたよ

--タークス本部--

ルーファウス:
 ツォン
 最悪の事態が発生した

ツォン:
 いったい何ですか!?

ルーファウス:
 散弾銃が軍に包囲された
 しかも
 スカーレットが指揮している軍だ

ツォン:
 !?
 (ついに追いつめられてしまったか)
 で、ですが仮にも
 タークスと軍は同じ神羅です
 それほど強硬な手段は取れないでしょう

ルーファウス:
 フッ
 私がここにいる限り
 おやじもタークスには手を出せないだろう
 だが
 ヴェルドも一緒だ

ツォン:
 主任も!?
 (軍の前では散弾銃も主任を助けられない)
 (まずい状況だ・・・)

ルーファウス:
 ふたりにとって最悪な状況だ
 万が一おやじがヴェルドを拘束すれば
 タークスは終わりだ

ツォン:
 確かに
 主任の命と引き換えに私達にあらゆる
 脅迫をするでしょう

ルーファウス:
 ああ
 しかも要求を飲んだ
 ところでおやじは必ずヴェルドを消す

ツォン:
 ふたりを助けなければ

ルーファウス:
 どうやって?

ツォン:
 コレルプリズンに行ってみます

ルーファウス:
 フン
 無駄だ
 今ごろ行っても手遅れだろう

ツォン:
 それでも行きます

--コレルプリズン--

スカーレット:
 ヴェルド

ヴェルド:
 スカーレット

スカーレット:
 探したわよ
 ずいぶんと手間かけさせてくれるじゃない
 たっぷりとお礼してあげるわ
 キャハハハ

散弾銃:
 (軍の前では主任を助けることもできない)
 (どうすればいいのかしら・・・)

スカーレット:
 新兵器よ
 タークスのあんたも一緒に灰にしてやるわ
 キャハハハ

散弾銃:
 巨大!
 (とうとう見つかっちゃったわね)

ヴェルド:
 無駄だ

スカーレット:
 しっかりしなさい!
 次よ! 次!!

散弾銃:
 (何体だすつもり!?)

スカーレット:
 しぶといわね
 でもそれぐらいの方が楽しいわ
 次!
 出なさい!!
 キャハハハ

散弾銃:
 しつこいわよ

散弾銃:
 ハァ
 ハァ

スカーレット:
 これで終わりよ!

散弾銃:
 ハァ
 ハァ
 大量
 でも負けないわ

スカーレット:
 やっちゃいなさい!
 キャハハハ

散弾銃:
 うぅ・・・

ヴェルド:
 くっ

スカーレット:
 とどめよ

散弾銃:
 うっ

ヴェルド:
 散弾銃!?

ヴェルド:
 スカーレット!
 やめろ
 お前のターゲットは俺だけだろ!?

スカーレット:
 ストップ!
 スト~ップ!
 なかなか楽しませてもらったわ
 それじゃそろそろ
 メインディッシュに行くわ

スカーレット:
 どう?
 ステキでしょ
 初めて試射するの
 もちろん発射スイッチを
 押すのはこの私よ

神羅の兵士:
 お、お待ちください
 今すぐ
 強化戦闘員を移動させます

スカーレット:
 そんなこと
 しなくていいわ

神羅の兵士:
 は?

スカーレット:
 今すぐ撃つと言ってるのよ
 強化戦闘員なんて
 代わりはいくらでもいるでしょ!

神羅の兵士:
 !?

スカーレット:
 発射!

スカーレット:
 爽快ね
 キャハハハ

散弾銃:
 終わりはまだよ!

スカーレット:
 なんですって!?
 これでも諦めないの!?

ヴェルド:
 散弾銃!
 やめろ

スカーレット:
 発射!

ヴェルド:
 くっ
 (散弾銃!)
 (駄目だ!)
 (もうこれ以上散弾銃を巻き込めない)
 スカーレット
 気は済んだだろ

ヴェルド:
 お前の任務は
 俺の抹殺のはずだ
 早く俺を始末しろ

スカーレット:
 残念だけど違うわ
 捕獲よ

ヴェルド:
 捕獲!?

スカーレット:
 社長がそう言うんだから従うしかないでしょ
 でも満足よ
 十分楽しめたわ

ヴェルド:
 ぐぁ

散弾銃:
 うぅ・・・
 主任・・・

神羅の兵士:
 スカーレットさん
 あっちのタークスはどうしますか?

スカーレット:
 ほうっておきなさい
 (タークスが揃った時に一網打尽にした方がおもしろいからね)
 さっ
 引きあげるわよ
 キャハハハ

ヴェルド:
 (散弾銃・・・)

散弾銃:
 (主任・・・ごめんなさい)
 (・・・私のせいね)

ツォン:
 くっ
 (手遅れだったか)
 散弾銃!!
 しっかりしろ

散弾銃:
 ツォンさん・・・
 主任が・・・
 主任が・・・

ツォン:
 散弾銃

散弾銃:
 ツォンさん・・・
 ごめんなさい
 私

ツォン:
 諦めるな!
 主任はまだ生きている
 なんとしても捜しだして取りもどすぞ

ツォン:
 レノ
 ヴェルド主任が捕らわれた

レノ:
 くっ
 やられちまったか、と

ツォン:
 なんとしても主任を助ける

レノ:
 はいよ、と
 でないとタークスだって潰される

ツォン:
 覚悟しろ
 気を抜けば死ぬぞ

レノ:
 もちろんだ
 主任とタークスを守る
 のは俺達タークスしかいないぞ!と

プレジデント神羅:
 神羅カンパニー
 重役会全会一致によりタークスは廃止する!

スカーレット:
 キャハハハ

プレジデント神羅:
 (こちらにはヴェルドがいる)
 (ヴェルドの命を盾にルーファウスを取り戻す)
 (タークスとヴェルドの処分はそれからでも遅くない)
 (神羅への裏切りはすなわち死あるのみ)
 全社員にアナウンスしろ

プレジデント神羅:
 総務部調査課
 前主任ヴェルドを
 10月5日正午に処刑する!

↑ PAGE TOP