FINAL FANTASY VII BEFORE CRISIS
◎ 第22章前半 『天さえも貫く脅威』
ウォールマーケット [υ]-εγλ 0007/10/4
--タークス本部--
レノ:
ツォンさん
どうですか?
ツォン:
また
はじかれた
ルード:
さすがは神羅セキュリティ
レノ:
敵にまわすと手強いぞ、と
これじゃヴェルド主任の
監禁場所が分かるのはいつになることやら
ルード:
処刑が迫っている・・・
ツォン:
分かっている
(どうすれば・・・)
(このままでは主任の命が・・・)
[υ]-εγλ 0007/10/4 PM 5:00 ウォールマーケット
エルフェを助ける
マテリアは
ついにすべて発見された
そのうちの3つは
タークスに
そして残りひとつは
アバランチの元にあった
イリーナ:
いっけない
バイト先に忘れ物しちゃった
しかし、ヴェルドは
神羅カンパニーに
捕らわれた
処刑の時が刻一刻と
近づいていた
イリーナ:
店長!
また
やっちゃいましたー
タークスはエルフェ捜索チームと
ヴェルド救出チームに
分かれて行動していた
--ウォールマーケット--
イリーナ:
いっ
いらっしゃい
タークスの皆さん
散弾銃:
あら
イリーナじゃない
イリーナ:
(タークスってばまた来てるの!?)
散弾銃:
バイトは上がったって聞いたのに・・・
イリーナ:
え、ええ
でも
ちょっと忘れ物しちゃって
(もー姉さん達に会うなんてサイアク!)
散弾銃:
忘れ物!?
お姉さんと違っておっちょこちょいなのね
シアーズ:
おい
散弾銃
それは失礼じゃないのか?
イリーナ:
(また姉さんと比べられた)
(だからタークスが店に来ると嫌なのよ)
散弾銃:
イリーナ
どうかした?
急にだまって
イリーナ:
(すいませんね)
(どうせ私はドジですよ)
安心してください
私はタークスに入るつもりありません
だから皆さんに
迷惑かけることもないと思います
散弾銃:
あら?
もしかしてちょっと怒ってるのかしら?
イリーナ:
じゃ
私は帰ります
忘れ物取りに戻っただけなんで
散弾銃:
心外
イリーナは私達が店にいるといつもああね
シアーズ:
原因は散弾銃じゃないのか?
散弾銃:
そんなことありえないわ
イリーナ:
(タークスなんて嫌い・・・)
(あんなの権力の犬だよ)
(カタブツ姉さんにふさわしいわ)
イリーナ:
(私は絶対タークスなんて入らない)
(姉さんがいる限り絶対に!)
イリーナ:
(もう姉さんと比べられるのはいや)
神羅の兵士:
と、止まれ
でないと、撃つぞ
イリーナ:
何?
向こうから聞こえたわ
イリーナ:
なんだろう?
イリーナ:
(ケンカ!?)
レイブン:
クックックッ
神羅の兵士:
うぐっ
イリーナ:
!!
イリーナ:
(た、大変!)
(誰か助けを呼ばなきゃ)
イリーナ:
(タークス!)
イリーナ:
(だめっ)
(タークスなんかに頼りたくないわ)
神羅の兵士:
クックックッ
イリーナ:
?
(さっきの人達?)
(無事だったのかしら?)
イリーナ:
・・・・・・
(臭うわ)
イリーナ:
誰もいない・・・
(神羅の兵士が大逆転・・・?)
(そんなわけないわ)
(これは間違いなく事件よ!)
シアーズ:
大変な状況になってきたな
タークスは今やアバランチにも神羅にも狙われている
散弾銃:
そして主任の処刑が迫ってるわ
シアーズ:
エルフェの命も危ない
散弾銃:
いろいろありすぎてブルーになるわ
でも主任のことは
ツォンさんたちに任せたのよ
私達はエルフェ救出に
集中するしかないわ
シアーズ:
マテリアはこっちにあるんだ
捜さなくてもフヒトのほうから
やってくるだろう
散弾銃:
同感
ひとりのときに襲われたら悲惨だわ
用心しないと
シアーズ:
ああ
念のためマテリアも分散しておこう
俺がひとつ預かる
残りのふたつはお前達が持っていてくれ
散弾銃:
分かったわ
シアーズ:
決してフヒトに奪われるなよ
散弾銃:
当然よ
シアーズ:
では俺はもう行く
イリーナ:
(いたわ!)
(みんなで集まっていったい何をたくらんでいるの?)
イリーナ:
(散った!?)
イリーナ:
(どうしよう)
(だれを追えばいい?)
イリーナ:
(決めたわ)
(こっちよ)
--タークス本部--
ルード:
・・・・・・
ツォン:
まただ・・・
またはじかれた
レノ:
あぁっ
これで何回目だよ・・・と
ツォン:
それに
先ほどからこの端末に
直接アクセスしてくる者がいる
ルード:
妨害でしょうか?
レノ:
!!
何かソフトが勝手に立ち上がったぞ、と
ルード:
映像回線だ
ツォン:
(向こうは映像を見せるつもりか?)
レノ:
いったい何者だ?
ツォン:
(これほどのことができる人物)
(思い当たるのはただひとりだ)
ルーファウス:
フッ
ヴェルドの監禁場所を
探すのにてこずっているようだな
--ウォールマーケット--
イリーナ:
(見失っちゃったわ・・・)
(仕方ない・・・)
(そろそろ時間だし諦めよう)
神羅の兵士:
クックックッ
散弾銃:
さっ
私もエルフェを捜しにでましょ
一箇所にとどまるのは
つまらないし追っ手に気付かれてしまうわ
散弾銃:
はっ!
神羅の兵士:
みつけたぞ!!
散弾銃:
言ったそばから
見つかってしまったわ
散弾銃:
驚がく
ずいぶん凶暴そうなのを出してきたわね
神羅の兵士:
無駄な抵抗はやめろ!
我々はタークス抹殺指令を受けている
抵抗したらこいつを放つぞ!
散弾銃:
笑止!
指令が出てるなら抵抗してもしなくても
抹殺するつもりでしょ?
だったら精一杯
戦うわ!
--モススラッシャーと戦闘--
散弾銃:
覚悟しなさい!
どんなところだって私は勝つわ!
神羅の兵士:
さ・・・
さすがはタークス
次だ!
散弾銃:
まだ
いるの!?
神羅の兵士:
まずい
お、応援を!!
散弾銃:
待ちなさい
させないわよ
神羅の兵士:
フン
これならどうだ!
散弾銃:
今度は数で勝負するつもり!?
覚悟しなさい!
神羅の兵士:
2体でも通用しないとは
こうなったら俺達がいくしかない!
散弾銃:
(兵士は任務で来てるだけよね)
(同じ社員だし何より非力だわ)
(この人達と戦うわけにはいかない)
(ここは逃げるしかないわ)
神羅の兵士:
ま、待てっ!!
--タークス本部--
レノ:
!!
ルード:
画面が映った
ツォン:
やはり・・・
ルーファウス:
フッ
ツォン:
副社長でしたか・・・
ルーファウス:
ヴェルドの処刑は
明日の正午
そんな調子で果たして
間にあうのかな?
ツォン:
最善の努力を尽くしています
ルーファウス:
私はヴェルドの
監禁場所をつきとめたぞ
ツォン:
!!
レノ:
本当ですか、と
ルード:
さすが副社長・・・
ルーファウス:
そして
君達に教えてやってもよい
レノ:
!!
ルード:
ツォンさん!
ツォン:
(信じてよいものか・・・?)
(しかし、副社長が持つ情報収集力ならば可能かもしれない)
ルーファウス:
ただし
ツォン:
!?
ルーファウス:
それには条件がある
レノ:
!!
ルード:
・・・・・・
ツォン:
条件とは?
ルーファウス:
フッ
レノ君、ルード君は
席を外したまえ
レノ:
副社長・・・?
ルード:
ツォンさん・・・
ルーファウス:
この件についてはツォンと交渉する
どうかな?
総務部調査課ツォン主任
ツォン:
・・・・・・
レノ:
・・・・・・
ルード:
・・・・・・
ツォン:
分かりました
レノ
ルード
ルード:
はい
レノ:
はいよ、と
ルーファウス:
フッ
ツォン:
・・・・・・
--ウォールマーケット--
神羅の兵士:
くっ
くそー
見失ったか
まだ近くにいるはずだ
なんとしても探し出すぞ!
散弾銃:
(うまく逃げ切れたわ)
ツォン:
散弾銃
ヴェルド主任の居場所が分かった
散弾銃:
安心ね
ツォン:
これからレノ達と奪還に向かう
散弾銃:
私も行くわ
ツォン:
いや
散弾銃には
逃走ルートの確保を頼みたい
ミッドガルの外で待機していてくれ
散弾銃:
了解しました
(エルフェはシアーズに任せよう)
散弾銃:
さーてっ
急いでミッドガルから出なきゃね
散弾銃:
くっ
(厳重警備中ってやつね)
(慎重にいかないと)
散弾銃:
(分かれ道ね)
(どっちかしら?)
散弾銃:
この先から出られそうね
散弾銃:
警備が厳重ね
ツォンさん達は
上手く主任を見つけたかしら
レノ:
到着だぞ、と
ルード:
臭うな・・・
ツォン:
ミッドガルのゴミ処理場だ
ミッドガルで出たゴミは
すべてここに集められ処理される
レノ:
主任をこんなところに
監禁するとはな
ルード:
確かに、この臭いなら
誰もよりつかない
レノ:
監禁には
最適の場所だぞ、と
ルード:
主任をゴミと一緒にするなんて・・・
ツォン:
裏切り者はゴミ同然ということだろう
レノ:
ふざけやがって・・・
ツォン:
一刻も早く
主任を助け出そう
レノ:
はいよ、と
ルード:
はい
散弾銃:
とにかく出口へ向かうわ
神羅の兵士:
退屈だな・・・
神羅の兵士:
交代の時間はまだだぞ
神羅の兵士:
検問なんて本当に必要なのか?
神羅の車しか出すなと言われてもねぇ
神羅の兵士:
確かに
神羅の車以外でここから出ようとする
奴なんていないよな
散弾銃:
(神羅の車じゃないと出られないのね)
(神羅の車をのっとるしかないわ)
散弾銃:
(電話だわ)
ツォン:
散弾銃
状況は?
散弾銃:
ミッドガル出口で検問しているの
神羅の車しか通していないようだわ
神羅の兵士:
見つけたぞ!
散弾銃:
まずいわ!
ツォンさん
また連絡するわね
散弾銃:
ちょっとこんな時に
散弾銃:
(これじゃ逃げきれないわ)
(どこかに隠れるしかないわ)
散弾銃:
(扉が開いているわ)
(ここよ!)
散弾銃:
イリーナ?
イリーナ:
はっ!
散弾銃:
こんなところで特訓しているの?
イリーナ:
タークス!?
なんで勝手に私の稽古場に入ってくるのよっ!?
散弾銃:
きゃっ!
散弾銃:
静かに
静かにして
イリーナ:
何が起きてるの?
散弾銃:
ちょっと追われているの
入ったのは謝るわ
でも
しばらくここにかくまってほしいの
イリーナ:
・・・・・・
しょうがないわね・・・
散弾銃:
フフ
ありがとう
助かったわ
イリーナ:
追っ手がいなくなったらさっさと出てってね
ここは
私の大切な場所なのよ
タークスには来てほしくなかったわ
散弾銃:
分かったわ
それにしてもイリーナ・・・
タークスを見ると
不機嫌になるみたいだけどどうしたの?
イリーナ:
べっつにぃ
イリーナ:
何でもないわ
散弾銃:
ツォンさん
ツォン:
散弾銃
無事か?
散弾銃:
なんとか逃げ切ったわ
ツォン:
検問突破には神羅の車が必要だといったな
散弾銃:
はい
ツォン:
ならば合流地点には車で向かってくれ
その車で逃走しよう
散弾銃:
なるほど
やってみるわ
ツォン:
頼んだぞ
イリーナ:
行き先
決まったみたいね
イリーナ:
神羅の駐車場なら西の奥にあるわ
散弾銃:
ありがとう
イリーナ:
さっさと出てってちょうだい
散弾銃:
分かってるわよ
あっ
そうだわ
イリーナは格闘もできるのね
学校じゃ銃が専門でしょ?
イリーナ:
銃はやめたの
散弾銃:
やめた!?
イリーナ:
ええ
そうよ
みて
散弾銃:
なんなの
それ?
イリーナ:
格闘クラスのエリートエンブレムよ
格闘クラスの定期テストでトップになると
もらえるの
もう5個も集めたわ
散弾銃:
本当に銃はやめたの?
イリーナ:
ええ
きっぱりとやめたわ
散弾銃:
もったいないわ
お父さんは銃の教官でしょ?
なぜなの?
イリーナ:
・・・・・・
秘密
散弾銃:
そう
それがイリーナの決断なのね
じゃあ
私は行くわ
かくまってくれてありがとう
散弾銃:
最後にひとつ!
格闘の構え
重心をもう少し左足にのせなさい
イリーナ:
ふぅ
やっと静かになった
これでまた稽古ができるわ
・・・・・・
(なによ・・・)
(タークスなんて会社がなけりゃ何もできないくせに)
イリーナ:
すごい
言われたとおりにしたら
こんな会心のキックが・・・
(さすがはタークス・・・)
はっ!
(私タークスとか興味ないし)
(でも・・・)
(ならなんで私は必死に格闘の稽古してるんだろう?)
散弾銃:
不意打ち
まだいたのね
ちょっと我慢なさい!
散弾銃:
この人を放っておく
わけにもいかないわ
どこかに隠しちゃおう
アナウンス:
ターゲットの目撃情報あり
周辺の警備を強化せよ
アナウンス:
繰り返す
アナウンス:
ターゲットの目撃情報あり
周辺の警備を強化せよ
散弾銃:
(とりあえず・・・)
(兵士はここに隠しておけば気付かれないはずね)
(この部屋に戻りたくなったら扉にむかって決定キーよ)
(車を探しにいくわ)
散弾銃:
(そうだ)
(兵士の服で変装しよう)
散弾銃:
(これで気付かれずに行動できるわ)
散弾銃:
(車が出発するところだわ)
(幸運)
(これに忍び込んじゃおう)
(車を奪うのはミッドガルから出た後よ)
神羅の兵士:
止まれ~
散弾銃:
(検問ね・・・)
(上手くいって!)
神羅の兵士:
開くぞ~
神羅の兵士:
通ってよし!
気をつけろよ~
神羅の兵士:
クックックッ
散弾銃:
(やったわ)
(検問突破よ!!)
ツォン:
(主任・・・)
(あと少しお待ちください・・・)
(必ず私達が助け出します)
レノ:
さっそくのお出迎えだぞ、と
ルード:
これぐらい余裕だろ?
レノ:
当然だぞ!
レノ:
っと
ツォン:
急ごう
ゴソゴソ
散弾銃:
!?
何の音!?
ゴソゴソゴソ
散弾銃:
ふ、袋が動いてるわ
開けてみよう
イリーナ:
はぁ~
やっと光が・・・
って
あ!?
散弾銃:
イ、イリーナ!?
イリーナ:
タークス!?
散弾銃:
なんでここにいるのよ!?
しかも袋づめで
まるで誘拐されたみたいよ
イリーナ:
そのとおりよ
私
誘拐されたのよ
散弾銃:
神羅に!?
イリーナ:
反神羅組織のアバランチよ
散弾銃:
接点でもあるの?
イリーナ:
私みちゃったのよ
アバランチが神羅の兵士に変装してるところ
だから口封じのためみたい
散弾銃:
ならこの車って
もしかして・・・
イリーナ:
変装したアバランチが運転してるわ
散弾銃:
幸運
なら心置きなく車を奪えるわね
イリーナ
もう少しの辛抱よ
この車は私が奪うわ
散弾銃:
止まったわ
散弾銃:
(アバランチ)
(待ち合わせをしていたのかしら?)
(何をするつもり?)
レイブン:
クックックッ
散弾銃:
(ついに正体を現したわね)
(なんとしても車を奪おう)
散弾銃:
あなた達
散弾銃:
早急に片づけて
車をもらうわよ!
ツォン:
また出たか
レノ:
いくら出てきても無駄だぞ、と
ツォン:
しまった
囲まれた
レノ:
なぁルード
準備はいいか?
ルード:
問題ない
レノ:
行くぜ!
相棒!
ルード:
おう!
ツォン:
いつもながら素晴らしい
コンビネーションだな
レノ:
ツォンさん
甘いぞ、と
ルード:
・・・・・・
レノ:
俺達の本当の実力は
ルード:
・・・・・・
こんなもんじゃない
ツォン:
フッ
そうだったな
(ヴェルド主任・・・)
(ごらんください)
(あなたが導いた部下達が今こうして全力で戦っています)
(あなたがいつも説いていたタークスの誇りをかけて)
(この戦いは主任を助ける戦いです)
(同時に私達のタークスとしての誇りをかけた戦いでもあるのです)
散弾銃:
よしっ
この車でツォンさん達との合流地点へ向かうわ
レイブン:
クックックッ
散弾銃:
また来たわね
(でも車はなんとしても私がもらうわ)
散弾銃:
こんなところでやられないわよ!
散弾銃:
今のうちよ!
レイブン:
クックックッ
散弾銃:
形勢不利
多勢に無勢だわ
少しの可能性にかけるしかないわ!
散弾銃:
しつこいわね
散弾銃:
不覚!
トラックが!!
イリーナ:
(また動き出した!?)
散弾銃:
うそ
イリーナとトラックを取り戻さなきゃ
ツォン:
数が多い・・・
ツォン:
気を抜くな
ルード:
はっ
レノ:
はいよ、と
ツォン:
レノ
ツォン:
ルード!!
ツォン:
くっ
(主任・・・)
(必ず助け出します)
ツォン:
(あの日・・・)
(主任の顔を私が傷つけてしまったあの日・・・)
ツォン:
(あなたが私を救ってくれたように)
ツォン:
う・・・
しゅ・・・
にん・・・
散弾銃:
ツォンさん
車が奪われたわ
追跡するわね
ツォンさん・・・?
ツォンさん!!
ツォン:
(ここで倒れるわけにはいかない)
(私はあの日から変わったんだ)
ツォン
恐れを捨てろ
誇りを取り戻せ
お前は
タークスなんだ