最後の記憶

最後の記憶 (角川文庫)
綾辻 行人
角川書店
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<内容>
脳の病を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女の心に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖の記憶」だけだった。突然の白い閃光、ショウリョウバッタの飛ぶ音、そして大勢の子供たちの悲鳴―。死を目前にした母を今なお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?波多野森吾は、母の記憶の謎を探り始める…。名手・綾辻行人が奇蹟的な美しさで紡ぎ出す、切なく幻想的な物語の迷宮。


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好みの雰囲気でいっきに読んでしまった。
ただ多分すんごい好みの別れる小説だと思う。
ジャンルで行くとホラーでもミステリでもなくノワール?
迫り来る暗黒の幻想とかそんな感じかな。
内容説明の「奇蹟的な美しさで紡ぎ出す、切なく幻想的な物語の迷宮」
というのでビビッと来るものがあった人にはお勧めかと。
「囁き」シリーズとか「眼球綺譚」とかそっち好きな方はどうぞ。
「眼球綺譚」好きなら特に良いかも。
「館」シリーズを求めてる人には駄目かも。
ショウリョウバッタの飛ぶ音の正体だけすぐ分かってしまったのが
ちょっと残念だった。
解答まで分かっても分からなくても全然問題ないけど
あそこで「あぁあ!」と出来なかったのが少し勿体無いかなと。
私的にはこの雰囲気のまま「殺人鬼」のような作品が読みたい。