或るろくでなしの死

或るろくでなしの死
平山 夢明
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-12-22)
売り上げランキング: 78878

<内容>
震えながら、戦きながら、そうとは知らずに……七人の人間たちが迎えた、決定的な””死の瞬間””。異能・平山夢明が魅せる、狂気の淵に決して、飲み込まれるな! 驚愕の傑作短編集。


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吐き気を催すような素晴らしさで「さすが平山作品!」です。
肉体的暴力の残虐グロ描写はほとんどないけど
精神的にくるものが多いです。
個人的には後者の話が好きなので面白かった。
一番好きな話は「或るろくでなしの死」かな。
ダイナーもそうだったけど平山氏作品の殺し屋は魅力的
というか一番人間味に溢れているんだよね。
一番狂気に満ちてるのは「或る愛情の死」だろうな。
あれはあれで救われているのかもしれないけれど…
「或るはぐれ者の死」は切ない。
独白するユニバーサル横メルカトルに載ってる
「C10H14N2(ニコチン)と少年―乞食と老婆」を読んだときと
同じ気持ちになったなぁ。
全体的にすっきりと読みやすかったです。
他の平山氏の作品を読む前の準備運動に読むと丁度いいかも。