<内容>
眉目秀麗、文武両道、才覚溢れるジェントルマン。その正体―紛うことなき、犯罪者。誰もが羨む美貌と優しさを兼ね備えた青年・漱太郎。その姿をどこか冷ややかに見つめていた同級生の夢生だったが、ある嵐の日、漱太郎の美しくも残酷な本性を目撃してしまう。それは、紳士の姿に隠された、恐ろしき犯罪者の貌だった―。その背徳にすっかり魅せられてしまった夢生は、以来、漱太郎が犯す秘められた罪を知るただひとりの存在として、彼を愛し守り抜くと誓うのだが…。比類なき愛と哀しみに彩られた、驚愕のピカレスク長篇小説。
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山田詠美さんの本は初めて!
「眉目秀麗、文武両道、才覚溢れるジェントルマン。その正体―紛うことなき、犯罪者。」
というあらすじに惹かれて読んでみた。
『恋に焦がれ恋に泣く』…まさにこんな小説だった。
夢生が一心不乱に漱太郎に恋し愛する小説。
なんとなく少女漫画を読んでいるようでした。
登場人物や設定なんかも漫画っぽいからかな。
「女性が書く男性像が動いてる」ってのがピッタリ来るかも。
昔読んだような古くさいBLを読んでいるような感じって言えば良いのかな。
さすがに昭和までいかないけど平成初期みたいな雰囲気?(笑)
漱太郎はサイコパスだよね。
全ての物(人も含め)にあるのは愛ではなくて自分の「物」という執着のみ。
「俺の物」をだから壊されたら怒るけど悲しんだりはしない。
そんな漱太郎を愛して何をしても許している夢生との関係が
壊れていく様が書かれていますが、小説のペース配分みたいのがおかしくて
最後の方がもの凄い駆け足。最初の学生時代は凄い長いのに。
漱太郎の妹とシゲの恋愛話の辺りから話が進むのが早くて
そのまま小説も終わりという。
つまらない訳じゃないんだけど、面白いかって言われたらなんて答えようか迷うかな(笑)
もっと重厚な感じがあれば良かったかな。
読んだ後味は「女性週刊誌に載ってる連載漫画読んだ感じ」でした。